ブログでにほんご

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夏のチェコ

私の住んでいるチェコの町では冬になると気温が氷点下20度まで下がる。肌着を何枚も重ねた上で厚手のセーターと膝下まで隠れるブランドのダウンコートをはおり、さらには凍った路面でもすべらないブーツ(もちろんインナーファーも付いている)、冷え性の私にはニットの帽子と手袋も必要である。あまりにも寒い日にはジーンズの下にどうせ見えないからといって破れて使わなくなった穴の空いた黒タイツなどをはくこともある。冬空の下で手をすり合わせながらバスを待つその5分間はひどく長く感じる。

 

しかし今では厳しい冬の寒さなどはとうに忘れてしまっているせいか、両手を温めながら飲むホットワインや鼻を抜ける冷たい風が妙に恋しい。そう、今はタイトルの通り夏である。最近では寝る際に暑さを和らげるために窓を開けている。電気をつけるたびに小さな虫が次々の入ってくるのはいつまでたっても網戸をつけないままだからなのだが、そもそも夜間でさえ暑いというこの天候がおかしいのだ。

 

今年は世界各国が猛暑に苛まれているらしい。我が故郷の日本では暑さのせいで倒れてしまう人が続出しており、7月上旬であるにもかかわらずネットニュースでは熱中症や学校にクーラーをつけるかつけないかの話題で持ちきりだった。呑気な私は今年も例年通り涼しい風が心地よいチェコの夏を楽しめるだろうと期待していた。チェコは日差しこそ強いものの、木陰に収まればまるで地下に続くワインセラーのようなひんやりとした空気が焼けた肌を癒してくれる。だが今年はそうはいかない。コンクリートに反射した熱気がいつまでもゆらゆらとゆれているのだ。太陽が地球に何キロメートル近づいたのかは知らないが、強い日差しの下にいるときの皮膚がじわじわと焼かれている感覚は例年とは比べ物にならないほど強い。30手前で日焼けが気になるお年頃だからという理由もあるが、ニベアの日焼け止めクリームを肌身離さず持ち歩くようにしている。

 

これほどまでに日焼け対策に力を入れ、早く夏よ去れと願う私を彼は湖へ行かないかと誘った。